元燈/LIU qiuran

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瓶中鵝

次は何かが変わるのか



生まれながらにして自我を持つ人間は、この「鵝(がちょう)」の如く、すでに世界の必然という「瓶」の内部にあり、それは認識の限界や束縛の象徴ともなっている。しかし同時に「鵝(がちょう)」は、なおも真の自己意識を内に秘める生命力の象徴でもある。「次は何かが変わるのか」という問いは、生命が「瓶」の内部に在るたびに繰り返し立ち現れる、自らへの省察と超越への問いかけである。それは、目前に広がる先天的な必然性を帯びた集団の意志の中において、果たして人間が真に覚醒することができるのか、戦争や相互の憎悪の理由を減じることができるのかという省察に他ならない。これは禅の哲学を現代社会において再解釈する試みであり、同時に集団への服従という過程そのものに対する反省でもある。


心理学者エーリッヒ・フロムは『自由からの逃走』において、人間は自由を希求しながらも、孤独や不確実性がもたらす不安に耐えきれず、自己を放棄し、集団や権威への服従を選ぶことで安心感を得ようとすると述べている。人々は一見自由に生きているように見えても、無自覚のうちに「瓶」の内側に身を置くことを求めるのである。その「瓶」とは、集団の意志、一族の観念、権威、あるいは社会規範である場合もある。個人が自由に伴う責任を引き受けることができないとき、人々はこうした集団への帰属や服従へと傾き、そこから社会におけるさまざまな極端な現象が生じるのである。


ゆえに、自らの必然性から勇敢に逃避することは、決して真の解決とはなり得ない。それはむしろ、別の形態の集団への束縛へと陥る危険を孕む。真の解放とは、この「安全」という名の「瓶」を超越し、自らの本性の根源へと立ち返り、今この瞬間に「瓶」から抜け出すことである。フロムが述べるように、積極的に自由を追い求めること――それは、自らの意思で選択し、愛と創造性を持ち、他者との間に誠実なつながりを築く自由である。


元燈(モトアカリ)は、中国・広東省に生まれ、中国美術学院の版画科を修了後に来日。現在は東京都および長野県を拠点に制作・芸術活動を行っている。元燈の作品は特定の技法や形式に限定されることなく、簡潔かつ自由な表現を通じて、人間性の奥底に潜む「幽暗意識」とその現実的意義の探求を続けている。作品には、集団意志と個人の服従という問題への絶え間ない問いが内包されており、その果てしない探究の中で、独自の表現言語を築き上げてきた。


「幽暗意識」という概念は、1982年に張灝氏によって提唱されたものであり、社会全体が陰の側面を語ることを避けてきた結果、「幽暗意識」が欠如し、人々省察力や判断力を失い、幻想的な繋がりや盲目的な自信へと陥るに至った。元燈は、社会におけるさまざまな現象の根源的な問題を探る試みを続けており、作品を通じて、これらの問題の中で個人が示す「主体的でありながら盲目的な服従」という暗い側面を表現しようとしている。そして、そこから覚醒と超越の力を呼び起こし、心と物の調和を図る健全なつながりを築き、共鳴と感応へと至ることを目指している。


本展では、伝統的な版画、篆刻、書道、陶芸に加え、映像やコンセプチュアル・アート作品を展示する。「瓶中鵝」が提示する問いを思考の核心に据えつつ、作品は展開され、絶えず「次は何かが変わるのか」と問い続ける。 




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会期
2025年7月23日(水)  –  7月27日(日)
13:00 – 19:00


会場
Moon Gallery & Studio
東京都台東区北上野2-3-13 1F


入場料
入場無料(予約不要・自由にご覧いただけます)


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* ワークショップ情報
会期中、「伝統的な拓本技法体験ワークショップ」を開催いたします。

  • 開催日:2025年7月26日(土)
  • 時間:13:30~17:30 
  • 定員:各回10名
  • 参加費:お一人様 4,000円(税込・材料費込み) 
  • 詳細・お申込み:Moon Gallery & Studio の公式ウェブサイトにて発表いたします。(ご予約は展覧会開始後に受付開始となります。)


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